空海の秘密荘厳心・・全ては愛を完成するために
弘法大師・空海は「十住心論」で心の発達段階を十に分けて論じている。
すなわち「第一住心 異生羝羊心 ( いしょうていようしん )」という幼稚な心の段階から「第十住心 秘密荘厳心(ひみつしょうごんしん)」という究極の悟りの心までが体系的に説かれている。
面白いのは、「十住心論」というタイトルである。
すなわち心の発達段階に従って、その住む世界が違うということである。
たとえていうならば、十階建てマンションがあって、その住む階によって、見える光景が違うようなものである。
換言するならば、今私達の見ている世界は、自分の心の住む場所、境遇に従って見えている世界であって、心のチューニングを変えてより高い境遇に住むことができることができれば、たちまち自分の周囲の環境が変わることになる。
このチューニングの方法を様々な宗教は考案してきたわけだが、今自分の住んでいる境遇を分析することにより、自分の心の発達段階に気づくことができるはずである。
空海の『十住心論』を読む 著者:岡野 守也 |
空海の説いた「第十住心」、秘密の荘厳心の境涯に出るのは極めて簡単である。
既にあるところの仏心、慈悲喜捨の心を出しさえすればよいのだ。
自分の中になければ難しいが、私達の中には既に秘密で目には見えないものの、仏と同じく美しい荘厳の心が宿っているのだ。
ただそれに気づかず、磨きだしてこなかっただけなのだ。
ジョン・イッツォ氏の『人生の5つの秘密』では、生き甲斐のある幸福な人生を送るには、愛情をそそぐ人間になる、すなわち愛になることを自ら選択することが重要であると強調されている。
確かに私達の中には「無条件の愛」(秘密荘厳心)が既に宿っているが故に、人生のあらゆる局面で愛になることを自ら選択することもできるのである。
例えばどんなに嫌だと思っている人がいても、「無条件の愛」そのものになることを選択しさえすれば、自分の感情を超えてその人に宿る「秘密荘厳心」を信じて愛することはできる。
そう感情を超えた心こそが、愛であり、秘密の荘厳心であり、私達は愛を出すことによって自らの感情を超えることもできるのだ。私たちはこの愛を完成するために何回も生まれ変わっているのだ。
死ぬまでに知っておきたい 人生の5つの秘密 著者:ジョン・イッツォ |
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