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笑いは「大いなる創造力の流れ」に還る最高の方法・・

 「生命の哲学」と云えば、ベルクソンに「笑い」という名著がある。

 この著作でも「大いなる創造力の流れという生命の哲学が中心にある。

 野呂芳男さんも、「笑いの構図」という優れた論文の中でベルクソンの「笑い」について次のように言及している。

ベルクソンによると、人間は自分たちが環境に適応して生きて行くために、近代になっては機械文明さえも作りあげてきたのだが、機械は人間の生のもつ創造的な柔軟性、しなやかさを持っていない。

 そこでベルクソンは、「生の躍動」が人間に与えてくれたしなやかさに対照的なものの例として機械を持ち出す。

 ベルクソンにとって、笑いは「注意深いしなやかさと生きた屈伸生とがあって欲しいそのところに、一種の機械的なこわばりがある点」に生れる。

 「人間のからだの態度、身振り、そして運動は、単なる機械をおもわせる程度に正比例して笑いを誘うものである」。・・

 つまり、ベルクソンにとって「笑い」とは生命のもともと持つ「しなやかさ」「大いなる流れ」に戻すための「矯正作用」なのである。

 「笑い」の中のベルクソンの名言を引用してみよう。

虚栄心の特効薬は笑いであり、
そして本質的に笑うべき欠点は虚栄心である。

引き離れてみたまえ、われ関せずの見物人となって生に臨んでみたまえ。
多くのドラマは喜劇に変ずるであろう。


笑いもあぶく玉を立てる。それは陽気である。
がしかし、それを味わうためにこの泡を採集する哲学者は、
時としてそこに、ほんの少量だが、一抹の苦味を嘗めさせられるであろう。

Bergson

 ベルクソンにとって「笑い」とは、「しなやかなもの、不断に変化するもの、生きているものに対するこわばったもの、出来合いのもの、機械的なもの、注意に対する放心、つまり自由活動に対する自動現象」を矯正するものだったのである。

 一言で言えば、「笑い」には固定化したものをもとの「生命の流れ」に戻す力があるのである。

 私たちは大笑いすることで、生命の源・ソースに還ることができるとともにそこから生命の爆発的な力を引き出すこともできるのだ。 

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 「笑い」には宇宙の生命力を引き出す力がある・・ 

 

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