今ここを最高に楽しむ道・・橘曙覧の天才
まさに現代は「大きな変化の時代」ですが、何気ない変化を楽しむ、心のゆとりも必要のように思います。
その点、橘曙覧という江戸時代末期の歌人の生き方は参考になります。
彼は、「独楽吟」という歌集で、「たのしみはーーー」という言葉で始まる和歌の連作を52首残しています。
その和歌を幾つか紹介してみます。
たのしみは妻子むつまじくうちつどひ頭ならべて物をくふ時
たのしみは朝おきいでゝ昨日まで無りし花咲ける見る時
たのしみは物識人に稀にあひて古しへ今を語りあふとき
たのしみは銭なくなりてわびをるに人の来りて銭くれし時
たのしみは神の御国の民として神の教をふかくおもふとき
いかがですか。彼は何気ない日常の生活に幸福を見出す達人とも云えるでしょう。
橘曙覧のようにいつも当たり前の出来事に心を配り、感謝していれば、日常のあらゆることが「たのしみ」、つまり幸福感に変わります。
ちなみに作家の新井満さんは『楽しみは 橘曙覧・独楽吟の世界』という本の中で、その和歌を下記のジャンルに分けて掲載するとともに、自分の自由訳をそれぞれに付けています。
- 孤独平安を楽しむ
- 家族団欒を楽しむ
- 食を楽しむ
- 貧乏生活を楽しむ
- 読書を楽しむ
- 書画と歌を楽しむ
- 買物を楽しむ
- 友との交流を楽しむ
- 日本国に生まれたことを楽しむ
- ささやかな変化を楽しむ
この11のジャンルなどをいつも心の中に置いておいて、毎日の生活を送ると、今ここをより楽しく過ごすことができるでしょう。
この橘曙覧のお金はなくても幸せになれる生き方には、現在の困難を乗り越えるヒントがあるように思えてなりません。
そこで最後に私も一首。
たのしみは 午後の茶店にて 書をひらき
コーヒーとともに 読み進む時
たのしみは 友と語らう 昼下がり
お腹かかえて 笑う一時
たのしみは 天才達の 作品を
友と語らい 褒め称える時
たのしみは 妻と旅する 船路にて
海の鳥たち 眺め愛でる時
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