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「慈悲の文明」(悟りの文明)の誕生について

 今回の大震災で教えてくれた最大のメッセージは、私たちの中に実は太陽の光に比すべき、「慈悲の心」「愛の心」がすでに存在していたということではないだろうか。

 今回の大震災で生まれた悲惨な出来事に、心が動かなかった人はいなかったに違いない。

 それこそ世界中の人々の「慈悲の心」が動き、ある人は祈り、ある人は支援にかけつけてくれた。

 この「慈悲の心」を、弘法大師空海は「秘密荘厳心と呼び、ある仏典では「慈・悲・喜・捨」の「四無量心」とも名づけている。

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 これから生まれる新文明は、間違いなく、この私たちに宿る「本心」に基づいた「慈悲の文明」になっていく。

 簡単に言うと、慈(いくつ)しみの心、哀れみの心をもってすべてのものに優しく接するとともに、人の喜びをわがものとして、最後には執着せずに行くべき所に行かせしめる「仏の心」、すなわち「悟りの心」に基づいた文明になっていくのである。 

 この慈悲の心」は、仏教だけでなく、キリスト教、イスラム教、神道、ヒンズー教をはじめ、すべての宗教に共通する一大テーマでもある。

 例えばキリスト教で言えば「神の愛」(アガペー)、神道で言う「むすび」(産霊)、岡潔先生の「情緒」なども広義ではこの「慈悲の心」にあたる。

 しかしながらこの心はいわば種の状態で私たちの命に内蔵されている。一人ひとりが自分で育てていかないかぎりは、美しい花としてこの世界に咲かせることはできない。

 その意味では、今回の大震災は、この「慈悲の心」から芽が出る契機を与えてくれたのであり、まさに「慈悲の文明」の胎動が感じられるのである。

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