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2011年7月21日 (木)

叡知の哲学・・46

 約7年間、幾多の困難を乗り越えて2010年6月13日に無事地球に帰還した小惑星探査機「はやぶさ」だが、そのミッションは、小惑星からのサンプル採取で、太陽系誕生や地球生成の謎を探ることだった。

 そのチームリーダーの川口淳一郎さんが、昨日のテレビで興味深いことを言っておられた。

・・地球の成り立ちを研究するためには小惑星の成分を摂取する必要があるように、地球上の生命についても知るためには他の惑星の生命について探査する必要がある。・・

・・もし、他の惑星で生命が発見されて、その遺伝子の構造が吾々と同じであった場合、地球上の生命は宇宙から来たということにもなる。・・

 ちなみに航空宇宙局(NASA)のケプラー望遠鏡が、生物が生息可能な地球サイズの惑星を54個発見した、と発表したことは前にも触れた。

 地球外生命体が存在し得るものであり、また、遠い未来においては、人類移住というテーマにつながる可能性もあるそうである。

 NASAによると、銀河系には200以上の地球サイズの惑星が存在し、さらに、水もあって生物が居住可能と見られる惑星はそのうち54あったという。ケプラーシステムの責任者ウィリアム・ボルッキ氏が確認した。

 すでに検出していた約1200の惑星候補の中から、さらに調査を行い、54という結果に絞り込まれたという。

 このような宇宙的な規模から「生命」について考える上で、ベルクソンが「地球外生命体」の可能性について、言及していたことはもっと注目してよいのではないか。

 ベルクソンは次のような一種異様な発言をしている。

「生命が出会う条件は千差万別だろうから、それのとる形態はこのうえなく多種多様となり、われわれの想像とは極度にかけ離れているではあろう。

…宇宙のわが地球なる部分では、いなおそらく、この太陽系全体をとってみても、そのような存在者が生まれてきうるには、彼らは一つの種を形づくるほかはなかった。

…太陽系以外の場所では、一つ一つがすっかり違う個体、種を形づくらぬ個体ーーそれもやはり多数であり、また可死だとはしてもーーのみが存在しているかもしれぬ。この場合ではまた、そうした個体は一挙に、そして完全な形で実現されたであろう」

・・・『道徳と宗教の二つの源泉』

 ベルクソンによれば、わが地球上においては生命の「大いなる創造力の流れ」が物質の強い抵抗を受けて、十全な形では開花しなかったというのである。

 生命の種も見方を変えれば、その「大いなる創造力の流れ」の停止を意味し、死んでいるとも云える。

 それに対して、他の惑星では全く異なる生命の顕現のプロセス、つまり「一つ一つがすっかり違う個体、種を形づくらぬ個体」も考えられると云うのである。

 詳しくは下記の論文を参照していただきたいが、21世紀が「生命」について地球上だけでなく、もっとスケールの大きな宇宙的視点から考察する時代になっていくことは確かであろう。

 井筒俊彦の言う地球社会におけるもう一段階高い「ダイナミックな統合」に至るためには、この宇宙からの眼差しは必要不可欠であり、21世紀の人類はその意識レベルをより包括的で、宇宙的なものに転換していくことが求められているのである。

電子本「ベルクソン・ルネッサンス」

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