« お金の科学・・6 | トップページ | お金の科学・・7 »

逆境で生まれる新文明・・最終回

☆「知ラレザル大陸」(ベルクソン)を求めて⑥

 昨年、ノーベル化学賞を受賞された根岸英一・米パデュー大特別教授は、研究者には次の三つが必要であると説かれている。

1.新しい大陸を見つける(ディスカバー)

2.その大陸を妥協なしに探検(エクスプローラー)

3.永遠の楽観主義(エターナール・オプティミズム)

 これはまさにベルクソンの云った「知ラレザル大陸」をこれから探検し、新文明を築いていくために必要な心構えでもある。

 ちなみに根岸博士は「ノーベル賞で終わりではない。新大陸を発見し探検の途中で受賞したにすぎない」とも述べていたという。

 また、「永遠の楽観主義で高い夢を追求し続けて・・」という根岸博士のメッセージには説得力がある。

 さて、ベルクソンのいう「知ラレザル大陸」とは、心霊学でいうところの死後の世界だけでなく、テレパシーなども含めた新しい「精神科学」のことを指していた。

 ここ3世紀間というもの、科学の対象は物質以外にはなく、今日でも、何も形容詞を添えずに科学とだけ言われれば、それは当然物質の科学を指すものとわれわれは思う。その理由を、私は前に述べたことがある。私はそこで、物質の科学的研究が精神のそれに先立って行われた理由を示しておいた。それは要するに、最も差し迫った仕事にまずとりかからねばならなかったからである。

・・・のみならず、出発点を精神の科学にとることは、必ずしも望ましいことでもなかった。幾何学から物理学へ、化学へ、さらに生物学へとて拡がっていたあの正確さ、厳密さ、そして証明を求める心へ、精神科学が独力で達することは望みえぬことだったろう、--そうした要件が物質科学から精神科学へ跳ね返って新しい展開をみるまでは。

・・「道徳と宗教の二つの源泉」

 つまりベルクソンは、「精神科学」は遅れて来すぎた不利を蒙らなかったわけではないが、根岸教授の冒頭の言葉のような物質科学の持つ厳密さ、証明を求める心は、「精神科学」という「知ラレザル大陸」を探検する上でも必要だというのである。

 逆境で生まれる新文明は、「衣食足って礼節を知る」という諺のごとく、これまでの成熟した物質文明を基礎にしながらも高度な「精神文明」「精神科学」として花開いてくるに違いない。

 我々はそのような文明の進化の目撃者でもあるのである。

 ・・「逆境で生まれる新文明」・・終わり

72591861

Bergson

 精神科学を予見していた
 ベルクソン

|

« お金の科学・・6 | トップページ | お金の科学・・7 »

哲学」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/143752/40195411

この記事へのトラックバック一覧です: 逆境で生まれる新文明・・最終回:

« お金の科学・・6 | トップページ | お金の科学・・7 »