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逆境で生まれる新文明・・16

☆「祈り」による「包括的なパラダイム」への転換を②

 ケン・ウイルバーによると、絶対・相対、運命と自由意志、一者と他者、心と脳等の一見対立する問題は、肉体の眼、知性の眼では解くことができないという。

この最も深い問題、この最も神秘的な問題は、観想の眼によってのみ解決され得る。

 そしてこの「超越の領域」においてのみ、反証ないしは証明が可能であるというのである。

 その具体例として、彼は禅の公案に言及する。禅では、知的な答えは拒絶され、指示、パラダイム、模範、実践に従わなければならない。

禅の場合、座禅を通した訓練を通じて「観想の眼」を開き、その眼を通した答えが要求される。

 つまり「これは、超越野の領域における博士号獲得コースなのだ」という。

 ちなみに井筒俊彦が追求したテーマの一つが、イスラムの神秘家イブン・アラビーの言う神秘家かつ哲学者の道を極めることであったことは前にも紹介した。

 すなわち瞑想や祈りなどの行などによって意識を変貌させて存在の根源に遡るとともに、その体験知に基づいた哲学を構築していった哲学者・神秘たちの共通モデルを明らかにすること。

 その理想的モデルがイブン・アラビーなどのスーフィーたちであるとともに、東洋哲学の途轍もなく広い精神的鉱脈に実は一つの共通したパターンがあることを彼は明らかにしていったわけだが、それはまさにウィルバーの言う「超越野の領域における博士号獲得コース」だったのだ。

 このように逆境で生まれてくる新文明は、これまで相対立していた次元から一大飛躍して、もっと「超越野」という高次元な世界から物事を考える文明になっていくに違いない。

 井筒博士に関心のある方は下記の論考も参照して下さい。

悟りへの道1・・意識と存在の構造モデル

悟りへの道3・・イブン・アラビーの「存在一性論」

 

Izutsu_pictures_s    

    在りし日の井筒俊彦博士
    
若松英輔氏「井筒俊彦入門」
    
のサイトから

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