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逆境で生まれる新文明・・15

 ☆「祈り」による「包括的なパラダイム」への転換を

 逆境で生まれる新文明は、「祈り」や「瞑想」などによる「精神的エネルギー」(ベルクソン)を重視する文明になっていくのではないだろうか。

 これまでの連載で見えてきたのは、地球上の人類は、従来の「対立的なパラダイム」から、「全ては一つ」という「包括的なパラダイム」に移行しつつあるのではないか、ということである。

 そして21世紀の人類が、「人と自然」「科学と宗教」の対立はもとより、異なる宗教・人種・習慣による争いといった「対立的なパラダイム」から、仏教の曼荼羅に見られるような「包括的なパラダイム」に転換していくためには、「祈り」や「瞑想」などによって私達自身の意識のレベルをより深く、より包括的なものに転換させていくことが必要なのだ。

 筑波大学の村上和雄名誉教授によると、現在アメリカでは、非常に大きな医学の変革が起こりつつあるという。西洋医学だけを信用している人は5割を切っていて、5割以上の人はもう西洋医学だけでは治らないと考えているという。もちろん西洋医学は、手術だとか、初期の病とか、感染症などには効力を発揮するが、慢性の高血圧とか糖尿病や癌などは、お手上げだというのである。

 そこで、アロマや鍼灸、瞑想など、とにかく今まで西洋医学が全く相手にしなかった分野に人々が走っているというのを知り、アメリカ政府は驚いて、そういう医療の研究に力を入れ出したのだった。

“統合医療”といって、西洋医学と東洋医学を統合し補完する。その研究に力を入れており、その研究が非常に進んできて、何百という論文が一流の医学雑誌に出ているそうだ。

 特に注目されるのが「祈り」による治病実験である。アメリカ東海岸に住む人が、西海岸の病人のために祈る。何百人という人々が、祈られる側と祈る側のグループに分かれて祈る。もちろんこのことは、患者もドクターも誰も知らない。祈られた患者のグループと、祈られていない患者のグループに差があったかどうかを調べたところ、差が出たという報告があったという。逆に出ないという報告もあるが、ハーバード大学やコロンビア大学など、権威ある大学が研究に前向きで、「精神神経免疫学」などと呼ばれて、今や最先端の研究分野になりつつあるのである。

 またケン・ウイルバーと言えば、「現代における最も包括的な哲学思想家」と呼ばれており、処女作『意識のスペクトル』以来、瞑想をしながら新しい知の分野をほとんど独力で開拓してきた天才である

 
ウィルバーの思想がユニークなのは、①感覚 ②知性 ③超越(霊性)の三つのモードに分けてより幅広い統合を目指しているところである。『統合心理学への道--「知」の眼から「観想」の眼へ』春秋社参照

 例えばこれまでの科学や学問は主に①と②のモードで研究を進めてきたが、③の超越の分野はほとんど無視してきたという。

 ところが、彼によると、どこのモードであろうと、1.指示 2.直接経験(実
験) 3.相互確認というプロセスを経て自分の仮説が真実かどうか検証できるなど、全く別のモードではなく、包括することが可能という。

 とりわけウィルバーは③の超越のモードに注意を促す。それは瞑想などの実践を通して初めて見えてくる世界であり、人類は第三のモード
を開拓し、宇宙の実相を直接体験で把握することができる、とウィルバーは強調するのだ。

  感覚と知性のモードでは、相反し、分離しているものが、超越体験の世界では「一」にとけ込み、統合することができる、とする。

 このように従来の「分析知」から「観想の知」へと認識のレベル
を進化させることをウィルバーは促しているわけだが、彼の「統合の哲学」は科学や宗教の膨大な領域を含みながら、さらに「観想の知」において一つになるというダイナミックな思想の営みを提起している。

 それでは、彼の云う「観想の知」「観想の眼」とはいかなるものか。

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  ハイデルベルクで「哲学する」・・

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