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2011年4月27日 (水)

逆境で生まれる新文明・・7

 トインビーの言う環境の変化に対する「応戦」「挑戦」で生まれてくる新文明には、当然のことながら「新しい世界観」が必要である。

 その意味でアーヴィン・ラズロの言う「ワールドシフト」とは、「パラダイムシフト」から始まる。

 特に今回の大震災後に世界中の人々が日本に寄せてくれた善意や善行そして宗派を超えた祈りには、「世界は一つ」「みんなの心は一つ」というパラダイムにいよいよ人類全体がシフトしつつあることを教えてくれているのではないだろうか。

 それは科学と宗教というこれまで一致することのないと思われた二つの領域が、次第に近づきつつあることからも伺うことができる。

 ラズロによると、最先端の科学の追求している物事の「一貫性」と、精神世界でいう「愛」が高次元において同じ意味を持っていることが明らかになってきているというのだ。

 「はじめに言葉があった。言葉は神とともにあり、言葉は神であった。」これはヨハネの福音書の冒頭部分です。

 科学は今、「言葉ーーコスモスの顕在領域の根底にあって、その領域を支配する情報(形成)ーーそのもののほうが、その表現の場である現象世界に属するエネルギーや物質よりも基本的であるという見解において、スピリチュアルな伝統に一致しようとしています。『コスモス』114頁

 宇宙のあらゆるものの根底に言葉なるもの、情報なるものがあるという考え方は、ラズロが言うように古来からのスピリチュアルな伝統に見出すことが出来る。

 たとえば弘法大師空海は、「五大に響きあり」とする言語哲学を説いた。

 それによると、宇宙の本質は大日如来という法身の説法、すなわち言葉であり、宇宙のいたるところに大日如来の言葉が鳴り響いている。むしろその響きこそが宇宙の本質であり、われわれが見ている現実はその表面にすぎない。

 音楽家でもあるラズロは次のようにも言っている。

 音楽に同調、一貫性、共鳴という三つの調和的属性があるように、

 この宇宙には宇宙の言語なるものがあり、人間を含むあらゆるものは、一貫性のあるエネルギー場・情報場の中に生きている・・と。

 この「宇宙の言語」なるものと同調し、共鳴し始めるとき、私たちの意識もラズロの言う「コスモスとともに共・進化」することになる。

 逆境から生まれる新文明も、この「同調、一貫性、共鳴」ということがキーワードになってくるに違いない。

 

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