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逆境で生まれる新文明・・8

 環境の激変という21世紀の逆境から新文明を創造する上で、日本という国は大きな役割を果たしていくのではないだろうか。

 先に紹介したように小宮山宏三菱総研理事長(前東京大学総長)は、高齢化社会にしろ、エネルギー制約にしろ、日本が直面する課題は、やがて他の国々が追体験する。日本が最初に課題解決の道を開けば、文明のリード役になれる」という「課題解決先進国」を持論としておられる。

 また、田坂広志さん(ソフトバンク代表、内閣官房参与)はその著『使える弁証法』の中で、今後の日本の果たす役割について注目すべき発言をしているので少し詳しく紹介してみよう。

 田坂さんによると、全ての物事は直線的に発展していくのではなく、ヘーゲルの云う弁証法のように「螺旋的発展」をしていく。つまり物事は原点回帰という螺旋的な動きをしながら、未来に向けて発展していくというのである。

 そしてこの「螺旋的発展」が文明においても起こってくるというのだ。

 具体的には
「東洋文明から始まった人類の文明が、西洋文明において大きな開花を遂げ、それが、ふたたび、東洋文明の根底にあった『生命的世界観』へと回帰しようとしている」という。

 換言すれば、東洋文明と西洋文明の「止揚」が起こり始めている。

 
◎西洋文明が開花させた最先端の科学技術と資本主義。
 ◎東洋文明の根本にあった生命的世界観と深い精神性。


 
坂さんによると、この二つが結びつきが、21世紀の新たな文明を生み出そうとしているというのだが、これは惑星間哲学でも取り上げている一大テーマであり、21世紀初頭の私たちは文明の「螺旋的発展」という壮大な光景を目の当たりにしているのかもしれないのだ。
 

 そして「もし、西洋文明と東洋文明が壮大な融合を遂げていくとするならば、それは、他のいかなる国でもない、この国においではないか」と。

 田坂さんはさらにこう問いかける。

 なぜ米国・シリコンバレーの書店では「最先端
の科学技術」の本と「ベンチャー・ビジネス」の本の横に、「複雑系」の本が積み上げられているのか。そして、さらに、その横に、禅や仏教、タオイズムなど、「東洋思想」の本が積み上げられているのか。

 なぜシリコンバレーが、文明の最前線、米国の西海岸にあるのか。

 そして西洋文明と東洋文明が融合した、21世紀の新たな文明の出現という壮大な螺旋的発展において、

 21世紀、
 日本という国の果たすべき役割は、何か。

 おそらく21世紀の哲学者は、この切実な問いかけに真摯に答えていかなければならない。

 私たち日本人もこれまでの歴史・伝統・哲学・思想など全てがこの「壮大な螺旋的発展」において根本から問い直されていることに気がつかなければならない。

 特に今回の東日本大震災で、云わばその全存在が根底から洗い出されようとしているのだ。

 それにしても日本とは不思議な国である。

 田坂さんの言葉を借りるならば
「世界で最も進んだ科学技術を開花させ、世界の最先端の資本主義を開花させた国」。
 しかも「その土壌の下には、数千年の歴史を持つ、東洋思想の伝統が流れる国」。

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