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小林秀雄とガブリエル・マルセルの対話・・4

 小林とマルセルの行なわれた鎌倉の小林邸とは、妹の高見澤潤子さん(「兄 小林秀雄」)によると次のようなものだった。

「昭和二十三年に、兄は八幡宮の裏山の上の広い平家を買って引越した。山の上だから、かなりの登りで骨が折れたが、それだけに高級地ともいえるいい環境の家であった。ぐるりは山にかこまれて、南側だけが開けていて、見晴しはすばらしい。

山々の自然は、美しい四季の変化を惜しげもなくみせてくれた。春は線の山のあちこちにふんわりと白い山桜が咲き、秋は黄、茶、深紅、色とりどりに紅葉が錦を織りなしてくれる。遠くの空のはてには海がみえ、晴れた日には大島がみえる。夜は御神火(三原山の噴火の火)がみえる時もあるそうだ。…」

 この抜群の景観をもつ小林邸で行なわれた対談だけに、二人のテーマも自ずから東西の「自然観」になっていく。

 この対談の中で特に興味深いのは、フランスを代表する哲人に小林が本居宣長の神道や日本人の自然観について説明しようと試みているところである。

小林 本居宣長の神道について申しましょう。簡単に言って、あの人の独創性は、それ以前にいろいろとあった神道の神学に対して、宗教的ドクマでも哲学的論議でもないということを発見したことです。全然そんなものはないのです。一言で言えば自然とのアンティミテ(親密さ)です。神道には全知全能の神がありません。あるのはアンティミテという単純な発見なのです。

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  新幹線の車窓から

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