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批評の神髄・・34

 現代の学生は不安に苦しんでいるとよく言われるが、僕は自分が極めて不安だったせいか、現代の学生諸君を別にどうという風にも考えない。不安なら不安で、不安から得をする算段をしたらいいではないか。学生時代から安心を得ようなどと虫がよすぎるのである。・・小林秀雄「僕の大学時代」

 この小林の学生時代の回想は、単なる思い出話ではない。

 常に何物かと戦い、己を鍛錬し続けた小林の生の声が文章の奥から聞こえてくるようである。

 ・・自分はどれだけ、「如何に生きるべきか」という問いかけを自分にしてきたことか。

   自分とは常に戦い、捨て去るべきものであり、乗り越えていくべきものにすぎない。

   自分というカラを脱ぎつ続けるのに、どれだけの不安と戦わなければならなかったか。

   このような批評の毒を飲む中で、自分は得心することができた。

   不安ならその不安に耐える中で、「不安から得をする算段すればいい」と。・・

 この小林の処世訓はおそらく絶望のどん底で経験として掴まれたものである。

 彼もドストエフスキーと同じように自身の絶望という経験からしか語らなかった人だ。

 それだけに彼の言葉には、あらゆる逆境を乗り越えていく力が確かにある。

 私たちも小林秀雄にならって自分に問いかければいいのである。

 ・・逆境なら逆境で、逆境から得をする算段をすればいいではないか・・と。 

 
 

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