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批評の神髄・・28

 

強い精神にとっては、悪い環境も、やはり在るが儘の環境であって、そこに何一つ欠けている処も、不足しているものもありはしない。不足な相手と戦えるわけがない。好ましい敵と戦って勝たぬ理由はない。命の力には、外的偶然をやがて内的必然と観ずる能力が備わっているものだ。小林秀雄「モオツァルト」


 小林にとって時代や環境とは、乗り超える対象であり、それらに流された思想や作品は本当の個性でもなんでもなく、認めていなかった。

 彼の傾倒した天才達・・ドストエフスキー、ゴッホ、モオツァルト、本居宣長などは時代の思潮と戦い、乗り越えた人たちであった。

 彼等はマイナス(-)をプラス(+)に転ずる天才でもあった。

 特にドストエフスキーの描いたラースコリニコフ、ムイシュキン、カラマーゾフ家の人達はそれぞれ大きなマイナスを抱えている。しかし、そのマイナスが大きければ大きいほどそれらの闇が光に転じればプラス(+)も大きくなる。

 「命の力」とは畢竟、闇を光に変えるプラスの力に他ならない。

 

 

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    ドイツ・ハイデルベルクのお城跡にて

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