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批評の神髄・・21

 彼[ドストエフスキー]は、何も彼も体験から得た。生活で骨までしゃっぶった人のする経験、人生が売ってくれるものを踏み倒したり、値切ったりしなかった人のする経験、自己防衛術を少しも知らず、何事にものめりこめた人のする経験、そういうものから自分は、何も彼も得たのだ、そう言う彼の声が、書簡の何処からでも聞こえる。 小林秀雄・・『カラマゾフの兄弟』

 このドストエフスキーに関する言葉は、そのまま小林秀雄にもあてはまる。

 彼の評論も、最初にあったのは対象と合一する強烈な体験だった。

 その体験がなければ彼は一言も書かなかった人ではなかったか。

 例えば小林秀雄の批評の金字塔とも言える『罪と罰について』という作品は、ラースコリニコフの肺腑までえぐり、まさに彼の復活した魂なるものを自分の言葉で書きつづっている。

 それは小林自身も「ラースコリニコフなるもの」と同じ体験をしたからこそ、書くことのできた傑作である。

 おそらく小林は、ラースコリニコフと同じく“精神の極北”で丸太にこしかけて、何者かを体験したのである。

 そしてその体験が、ドストエフスキーの体験と共鳴し始めたときに、彼の評論は始まる。

 換言すると、彼の批評とは、作者や作品との共鳴であり、彼は優れた演奏家でもあったのだ。

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小林秀雄」カテゴリの記事

コメント

タカヤンさま
ご無沙汰しており、申し訳ございませんweep
昨日付けのラジオ放送「幸福への出発」聴かせていただきました。
調和した状態が幸福ということ。
調和するには感謝が必要なこと。
人間は神の子で既に幸福で、既に救われている存在であること
感謝=もともとある宝物を発見すること
感謝の習慣をつけ、心の眼を開くこと。
小さな感謝を徹底いしていくと、大感謝という悟りを得ること
など、心に響きました。
日時計日記を毎日書き続け、徹底的に感謝して
これからの生活をがんばります。
すべて必要なものは必要なときに必ず与えられることを信じて
明るく、努力していきます。
祈って、少しずつでも確実に歩みを進めていきます。
長々と失礼いたしました。
来週の放送も楽しみにしております。

投稿: スイトピー | 2009年9月 7日 (月) 19時11分

スイトピーさん、お久しぶりです。

ラジオ放送のご感想、誠にありがとうございます。

神さまは私たち子供の魂の生長のために

・・最高のものを

・・最高の時に

・・最高の方法で与えて下さるのですね。

ありがとうございます。

投稿: タカヤン | 2009年9月 8日 (火) 11時06分

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