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批評の神髄・・2

 小林秀雄の批評に一貫して流れているのは、「無私の精神」である。

 批評の対象をある立場から、ある観点から見るのではなく、彼にあっては「無私の精神」で対象と一つになることが重要である。

 いわば彼の批評とは、「見るもの」と「見られるもの」が分かれる以前に還って、「対象そのもの」「ものそのもの」「命そのもの」を捉えようとする。

 小林秀雄の「私の人生観」では、宮本武蔵の言葉として「観の眼強く、見の眼弱く」が引用されているが、彼の批評とは対象を肉眼でじろじろ傍観するのでなく、“観の眼”で対象そのものの全体を直接、捉えようとする。

 従って、小林秀雄の批評とは、「無私の精神」で自分の立場を悉く放擲したあとの“観の眼”でとらえた直接世界の評論だったと言える。

 

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