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批評の神髄

 小林秀雄に関した評論はそれこそ、無数にあるが、最近読んだ中では、佐藤正英氏による小林秀雄―近代日本の発見 (再発見日本の哲学)がなかなかいい。

 著者の視点よりも、出来るだけ小林秀雄の観点に立って、引用もたくさんしているところがよい。

 読者は読みゆくうちに、小林の歩みについての概観を得ることができるし、時代との関連も学ぶことができる。

 その書に合わせて『人生の鍛錬--小林秀雄の言葉』も併読すれば、ある程度の小林像を描くことができるのではないだろうか。

 例えば後者では「私の人生観」の次の言葉が引用されている。

 大切な事は、真理に頼って現実を限定する事ではない。在るがままの現実体験の純化である。見るところを、考える事によって抽象化するのではない、見る事が考える事と同じになるまで、視力を純化するのが問題なのである。

 これはまさに小林秀雄の批評なるものの神髄を語っているのであり、彼にあってはまず「在るがままの現実」を見る事ことこそが肝要なのである。

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