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明恵の遺訓・・月とともに歩む

雲を出でて我にともなふ冬の月 風や身にしむ雪やつめたき

 かつて川端康成氏が書いたように、明恵は月に話しかける言葉そのままを歌にしている。

「月を友とする」よりも月に親しく、月を見る我が月になり、我に見られる月が我になり、自然に没入、自然と合一しています。
・・『美しい日本の私』

 この自然との合一感は明恵だけでなく、日本人が悠久の昔から培ってきた感性である。小林秀雄は「お月見」というエッセーで、たまたま日本で「お月見」に同席したスイス人がどうして月を愛でて悦んでいるのか、理解できなかったというエピソードを紹介しているが、この自然の感じ方は、21世紀の人類にとってとても大切な心の在り方になるだろう。

 地球環境問題の淵源にあるものは、主体と客体たる自然との分離感である。分離感のあるところ、自然をコントロールして主体の富を得ようとする操作主義が涵養される。そして自然を操作できるとする人類の傲慢さが今日の問題を産んでいるのである。

 これに対して、日本人がはるか昔から培ってきた情緒の世界にあっては、明恵の歌にあるように自然との合一感を育ててきた。この深い情緒は私たち現代人の心の奥底に眠っており、「お月見」などの機会に「伝統的な月の感じ方が、何処からともなく、ひょいと顔を出す。取るに足らぬ事ではない、私たちが確実に身体でつかんでいる文化はそういうものだ」(小林秀雄)。

 自然の前で頭をたれて畏敬の念を表する。・・明恵の歌からは、そんな遺訓も読み解くことができるのである。

 

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